為替市場が変動制に移行してからは、為替レートは市場で決定されるようになりました。FXの取引が行われたのも変動相場になってからです。市場での形成されると言うことは、つまり需給で決まることを意味します。通貨の需給の要因は多数ありますが、それらを総合したものが国際収支です。
国際収支は実際の通貨の取引全体を集計したものだと言えるでしょう。ですから、貿易収支だけではなく、資本取引なども含まれます。国際収支に表される需給は為替レートの長期トレンドに影響を与えますから、FXの取引をする際にも注視しなければなりません。日本は国際収支上で大幅な黒字だった時代が長かったのですが、この時代には円高圧力が高かったのです。
貿易黒字ではなくて国際収支が黒字であったという点に注意が必要です。アメリカは貿易赤字が続いてて、それが問題だとされていた時代もありました。それにもかかわらず、ドルは暴落するどころか上昇を続けていた時代もあります。これはなぜかというと、貿易収支以外のところでドルの需要が高かったからだと言えるでしょう。
具体的には資本収支があります。資本収支が黒字であったために、貿易赤字をカバーしていたのです。つまり、海外からのドル買い需要が高かったために暴落しなかったのです。FXでは理論的に行かないこともありますが、国際収支は実際の通貨の動きを表しますから、為替レートの分析をする際には重要なものだと考えられます。
コメントする